この度の大震災に際して兵庫天台仏教青年会では、平成23年5月17・18日に、
宮城県気仙沼市にて復興支援ボランティア活動を行いました。
今回は宮城県のボランティアセンターを通じ、20名以上で中規模な支援活動を行う
ボランティアバスパックにて活動を計画しましたが、兵庫仏青単体では20名の壁を越えられる人数が集められるか分かりません。
そこで、4月19日の天台仏教青年連盟代議員会にて活動要綱を配布し、他教区仏青からのご参加を呼びかけました。
そこからご参加頂いたのは滋賀・四国・北総・陸奥の4仏青12名です。
これに兵庫仏青の13名を加え、総勢25名(+檀信徒2名)の5仏青合同チームが結成されました。
兵庫仏青だけでは成立しなかった活動です。ご参加頂いた他教区仏青の皆様誠に有難うございました。

◎5月16日(兵庫県・神戸市〜宮城県古川へ)
被災地での人員輸送に使用するマイクロバスを、兵庫教区第1部潮海寺様よりお借りしました。
檀信徒2名の方に運転手をお願いしました。神戸から片道12時間の長旅です。



現地にて資材運搬用のライトエースバンをレンタルし、資材・道具を買い足して明日に備えます。
夜には各地から古川を目指して青年僧が集結。夜9時半には全員でミーティングが行われました。



◎5月17日
午前7時にホテルを出発し、一路気仙沼市へ。全体を2班に分けて活動を行います。
1班の活動は、津波により被災した金物屋さんの清掃でした。



店内の荷物を全て外に出し、泥かき、清掃を行います。



水をかぶった商品も洗浄しました。



作業終了後、言葉少ない店主さんの固い握手とにじんだ涙がとても印象に残りました。



2班は、水害にあった住宅の床板洗浄や、周辺の側溝の泥かき・フェンスのゴミ取りを行います。



震災当時は、水かさが2mにもなり1階部分はほとんど水没。2階からは津波の巻き起こす黒い煙が見えたそうです。



依頼者の奥様におにぎりや飲み物まで頂き恐縮でした。



両班ともに作業の終了した後、ホテルへ帰る途中に被災地の視察を行いました。
気仙沼の港はどこも壊滅的な打撃を受けています。



次に陸前高田市へ向かいました。海に向かって湾が広く開き、
広い平野部が続く陸前高田市は、市内の7割が津波の被害を受けたそうです。瓦礫の荒野が一面に広がっていました。



◎5月18日
この日も2班に分かれて活動します。1班は川沿いの畑の水路に入り込んだ汚泥を撤去しました。



足を泥に取られて悪戦苦闘です。



土嚢を積んで足場とし作業終了。北総仏青はここで帰途につきました。お疲れさまです。
残った人員は、1班のフォローに回ります。



2班は気仙沼港を望む丘の上にまで堆積した瓦礫の撤去と、人一人入るのがやっとの狭い溝の泥かきが仕事です。
まず現地を見て瓦礫の量に愕然としました。本来は重機の仕事ですが、丘の上のために重機が入らないのです。



気を取り直し、力を併せて早速撤去作業をはじめます。
昼までに、丘の上の瓦礫は取り除かれました。瓦礫の下にはタンポポの花が咲いていました。



昼食時に1班が合流。午前中の惨状を知らない1班には、のどかな昼食風景にしか見えません。



昼からは崖の途中に残された瓦礫を引き摺り下ろします。



そのころ、狭い側溝では悪戦苦闘が続いていました。



撤去が一段落し、依頼者にご挨拶して撤収です。



その後、気仙沼ボランティアセンターに向かい活動報告と資材の寄贈を行いました。



今回活動に携わったメンバーと解散式を行い、それぞれが帰途につきました。



◎5月19
日 12時間かけ、マイクロバスは神戸に帰着。早速清掃を行い、兵庫仏青も解散。お疲れ様でした



今回は、震災発生2ヶ月が過ぎた被災地に入り活動を行いました。
被災地では、津波の被害の多寡により復興に格差が生まれている現状を実感しました。
水害の少ないところから復興が始まっていますが、津波により破壊されたまま放置された所も、
海に近いところであればあるほど多く見受けられました。
被害の甚大さに比べ、我々の行った復興支援活動は微々たるものでしたが、
現地の方にはどなたにも大変喜んで頂けました。額に汗して復興に携わることで、
現地の方からの信頼と共感を得ることができたのだと思います。
力仕事から確実に変化してゆく被災地のニーズにどのように対応していくかが今後の課題として残りました。
末文ながら今回、実際に活動できたメンバー以外の、
多数の方々からのご支援ご協力ご声援がありましたことに感謝を致します。誠に有難うございました。